2016年 11月 17日
おたがいさま |
翻訳を始めて、世間知らずの私には毎日が発見の連続です。
先日契約書丸ごと一部の翻訳が舞い込みました。
契約っていうのは普通、甲と乙という二人の当事者がいて、一方が他方にモノやサービスを提供し、それに対してもう一方が対価を払うときに結びますよね。
大家さんと店子とか。
システム管理会社とクライアントとか。
だから甲と乙は全然立場が違うし、やることも全く違います。
ところが世の中には甲と乙がお互いに全く同じサービスを提供し、業種も同じという契約があるんですね。
さて、何でしょう?
チッチッチッ…(10秒経過)
そうです!正解です!
いやぁ、こんなに簡単に正解されちゃうと、ちょっとがっかりだなぁ!
さよう、答えは「運送会社」ですね。
たとえば運送会社Aは日本の企業ですから、国内の工場で生産された製品を積み出し港まで運び、通関手続きを完了し、貨物船に積み込むまではお手の物です。
ところが送り先は南米あたりの小さな町だったりする。
世界中に支社を展開しているような運送会社なら別ですが、やはり相手国に陸揚げしてから目的地に届けるまでは運送会社Aでは無理だ。
そこでそこから先は相手国の運送会社Bの出番です。
貨物船からの荷下ろし、通関業務、地元の配送業者の手配、トラブルの処理などはこっちが引き受けます。
これをエージェント(代理人)とよびます。
この契約では、逆のこと、つまり相手国側から日本に向けて貨物が送られるときには運送会社Aがエージェントになるのです。
AとB,やることが全く同じなので、契約書は一通で間に合うというわけです。
遠い異国で、ちょうどよさそうな同業者を苦労して探し出して契約を結び、システムが順調に稼働し始めた時はさぞやうれしいでしょうねぇ。
こういう仕事って絶対にやりがいがあると思う!
by domani2015
| 2016-11-17 15:16
| 翻訳
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