2018年 05月 19日
チェロを修理する(その2) |
弦楽器を修理する際に一番やってはいけないこと、それは化学製品の接着剤を使うことです。これ、鉄則!
じゃあ、何でくっつけるか?膠(にかわ)というものを使うのです。
これは何かというと動物の骨や皮のコラーゲンなのです。ものすごく強力であるにもかかわらず、高温の蒸気を当てると簡単に溶かすことができるのです。
これが原料の乾燥牛皮です。
大型スーパーやホームセンター、ペットショップなどで、安価に入手することができます。
2時間水に浸して柔らかくなったら…
これをさらに80度以下の温度で長時間煮ると出来上がり。部屋の中に弦楽器屋さんに特有のいい匂いが漂います。
不純物が多い方が接着力が強いそうです。画材店に行くと日本画用の膠を売っていますが、あれは精製してあるので強度的にはちょっと不安があるかもしれません。
修理が完了!
一見したところ修理の痕跡はわかりません。
叩いてもびくともしないし、オケの練習にも何度か連れ出しましたが問題ないので、修理は成功と言えるでしょう。
学生時代は、仙台市内には楽器の修理を扱う業者が一件くらいしかなかったので、ちょっとした修理は自分たちで知恵を出し合ってやっていました。
コマの高さの修正とか、魂柱の位置の調整などは何度もやった経験があります。
失敗も多かったですが…。
by domani2015
| 2018-05-19 14:26
| チェロ
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